症状別のお話
回復への道を一緒に歩んでいきたい
はじめまして。セブンメンタルクリニックの井手健太郎と申します。
疾病は医師の力だけで治るものではありません。今必要なこと、今後足りないと予想されること、今のしんどさの原因になっていることを、一つ一つ協働して解決していかないといけません。だからこそ一人一人の心身や生活の状態に即して、問題解決の方法を皆様と一緒に考えていきたいと思っています。
当院はトラウマ関連疾患と認知症に特に強みを持ちます。
・トラウマ疾患(P T S D、適応障害、ストレス関連性疾患)
・トラウマ疾患(P T S D、適応障害、ストレス関連性疾患)
トラウマは心の傷です。放っておいても治る傷もあれば、しっかりケアしてあげないと痛みが引かない傷もあります。でも傷は適切にケアをしていけばゆっくりと治っていきます。
日常の何気ないストレス。傷のないところだと痛みを感じないようなストレスでも傷を刺激されるととても大きな反応が出ます。思い出します(フラッシュバック)。
反応が出た後は怖くなって眠れない、ピリピリ・イライラする(過覚醒症状)。
そういう反応が嫌なので色んなものを避ける(回避症状)。このような症状の結果、疲れてしまったり、生活内での不便を強いられていきます。
当院では通常の保健診療における対話的精神療法・認知行動療法をベースに、薬物療法だけでなく、心理療法を使って心の傷のケアを行なっていきます。また、私自身はP T S Dの研究に携わっており、新聞やNHKでも特集されたこともあります。ぜひご相談ください。
・自律神経失調症(過敏性腸症候群、片頭痛、動機、めまいなど)
自律神経は全身の器官をコントロールしており、そのバランスが崩れてしまうと多彩な症状が現れます。また自律神経は心の状態と非常にリンクしています。本来緊張しているときには交感神経が活発に活動しているはずなのですが、脳を守るために副交感神経が交感神経の活動にストップをかけることで起こるのではないかといわれています。緊張状態をほぐす方法などを一緒に考えていきましょう。
<2022年4月寄稿のコラム>
「コロナ禍や戦争など先行きが見えず不安になることがいっぱいの時代。知らず知らずのうちにストレス過多になっていませんか?ストレスは自律神経のバランスを崩す原因になります。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。
交感神経は興奮・緊張・活発にさせるときに働き、いわゆるアクセルのような役割があり、副交感神経はリラックス・休養するときに働き、いわゆるブレーキのような役割をします。
自律神経失調症とはこのアクセルとブレーキの調節がうまくいっていない状態で、一般的には交感神経が副交感神経を上回ったときに起こります。頭と心と身体はつながっています。仕事中の姿勢だけでも緊張が強まってしまうこともあります。身体に影響を及ぼすと、流涙・片頭痛・過呼吸・動悸・吐き気・不眠・過敏性腸症候群など身体的な症状として現れることがあります。心に影響を及ぼすと、 落ち込む・やる気が出ない・不安・焦り・イライラなど精神的な症状として現れることもあります。
原因は対人関係、夜型生活、運動不足、時間に追われた生活、過重労働、過度のプレッシャーなど様々なストレスです。一つだけならうまく流せることでも一度に重なってしまうといっぱいいっぱいになりバランスを崩してしまうこともあります。仕事から帰っても家でなかなかリラックスできない、寝る前に色々と考え事をしてしまう、寝なきゃと思えば思うほど眠れないなど、交感神経の興奮を抑えられない状況が続いている人も多くいます。ストレス反応の大きさは人それぞれで、大きな反応を来してしまう人には過去のトラウマ、元々の気質、発達の問題が背景にあることも少なくありません。
当院では薬物療法だけではなく、頭から・心から・身体からアプローチを念頭においています。時には認知行動療法やカウンセリングなどゆっくり時間が必要なこともあるかもしれません。
セブンメンタルクリニックは、このような悩みにお力になれることもあると思います。」
・パニック障害・不安障害
パニック発作や大きな不安で生活で困っています。緊張が高まったとき、動悸を感じ、呼吸が浅くなります。動悸や浅くなった呼吸を脳は危険な状況であると認識してさらに緊張が高まり、全身から汗が吹き出し自身ではコントロールがつかないような状況に陥ってしまいます。そもそもの緊張の原因を探し出し、緊張が高まりきる前に対処する方法を一緒に見つけていくことが必要です。
・統合失調症
考えや気持ちがまとまらず、幻覚や妄想が現れるために非常に苦痛を感じます。最も有効とされている治療は薬物療法ですが、ストレスマネージメントや環境を整えることも症状を軽減させるためにとても役立ちます。是非自分らしく生きるためのお手伝いをさせてください。
・うつ病
うつ病は一言で行ってしまうと心も身体も疲れきっている状態です。身体的な症状も付随して出現してしまうこともあります。私は体がまずゆっくりと休めないと心の疲労は取れてこないのではないかと考えています。まずはしっかりと体を休める環境を作り、心の疲労が取れていくようにゆっくりと相談していきたいと考えます。
・躁うつ病
人はストレスにさらされると気分をあげて対処しようとします。しかしこの状態は元気の前借りにあたり、そのうちに疲れ果ててしまいます。そもそもの病状の悪化は日常の些細なストレスの積み重ねであることが多く、ストレスケアを行い、心と体と生活の最適化の三本柱で対処していくことが重要になります。
・発達障害
得意・不得意の特性の影響で生活内や仕事上での困りごとがあるかもしれません。得意な力を存分に発揮できるような環境の調整、不得意なところのトレーニングなどを計画的に行なっていきましょう。
・認知症
認知症は後天的に培った様々な能力がいろいろな形で失われていきます。患者様も含め、ご家族様が困っていることも少なくありません。薬物療法や精神療法のみならず、ご本人とどう接したら良いのかなど一緒に考えていけたらと思います。
・不眠症
不眠の原因には不安や心の乱れ以外にも、睡眠時無呼吸症候群があります。 CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)や口腔内装置をご提案いたします。日中の眠気や倦怠感、近親者からいびきを指摘された場合には、検査もできますので一度ご相談ください。
・コロナうつ
コロナうつとは、コロナウイルス感染症によって、自分自身や大切な人が感染してしまう不安や経済的な問題による不安、生活環境や働き方が変わってしまったことによるストレスなど。これらが引き起こす心と身体の反応の総称です。
仕事場でも感染対策でピリピリ、プライベートでも自粛ばかりでイライラモヤモヤ、心がゆっくり休まる時間が少なくなっているかと思います。いつ終わるかわからない大きな不安やストレス反応は、人の心も身体も疲れさせてしまいます。
親しい人と会ってコミュニケーションをとる機会が減ったり、外に出て体を動かすことや楽しいことが制限されたりするとストレスが発散できず溜め込みやすくなります。その結果、眠れなくなったり、感情が吐き出せず息苦しくなったり、やる気が出なくなったりといった症状が出現します。
なんだか眠れない。憂うつな気分が2週間ほど続いてしまうなど、日常生活に支障を来している。周りから普段と違う、元気がないなどと指摘された時には治療が必要かもしれません。一人で溜め込まず、ぜひ専門機関に相談しましょう。